江戸川区オンブズマン憲章

基本姿勢
1 投げられたボールはまず受けるという姿勢で臨みます。
2 アンタッチャブルの精神を貫きます。
3 公正中立な第三者的立場を保ちます。
機能と役割
4 人権擁護のために市民からの苦情を処理します。
5 区民福祉の向上のために行政を監察します。
6 制度改善のために必要に応じた意見表明を行います。
対象と調査
7 敷居を低くして、あらゆる事例に対応するよう努めます。
8 双方の言い分をよく聞いて、法と道理の両面から公正に判断します。
9 申立ては情報の宝庫と考えて、市民生活の向上をめざします。
連携と責務
10 関係機関との連携を図り、信頼と啓発に努めます。
11 プライバシーを守り、個人情報を保護します。
12 だれもが夢をもち、互いに支え合うまちづくりをめざします。

●基本姿勢
1 投げられたボールはまず受けるという姿勢で臨みます
オンブズマンは、苦情申立てを受ける「最後の砦」という認識を持っています。対象・対象
外の判断をする前に、まず受け付けて話を聴き、次に解決の方向性を探る努力をするというこ
とです。相談を受けたものが申立て事案になると判断すれば、条例に基づいた調査に入り、対
象外であれば、どのようにしたら解決の方向性が見出せるかを指導したり、専門機関等を紹介
するなどの対応をしていきます。
2 アンタッチャブルの精神を貫きます
アンタッチャブルには「決して買収されない」という意味があり、オンブズマンの職務上の
特質をよく表しています。オンブズマンは、どのような苦情に対しても最善の解決を図らなけ
ればなりませんが、その判断を曲げるような一切の外圧に屈しない姿勢を保つ必要がありま
す。
3 公正中立な第三者的立場を保ちます
市民と行政という当事者間の関係に対して、第三者的立場から公正中立に調査し、適正な判
断を示すのがオンブズマンの基本姿勢です。また、議会(立法)や区長(行政)に対してオン
ブズマン(監察)は、独立した立場で運用が図られる必要があるということも含まれます。行
政の組織としての立場が強くあらわれると裁定が行政寄りになるのではないかとの区民の不信
感を招くことになりかねません。オンブズマンは、区民の権利利益の擁護者でもあることを認
識した上で「中立」の立場を保ち、区民の信頼が得られる存在になるように努めていきます。
●機能と役割
4 人権擁護のために区民からの苦情を処理します
オンブズマンの3つの職務権限の一つ目に「苦情を調査し、改善が必要な場合は是正勧告で
きる」というものがあります。行政に対して一人の区民の対応力は小さなものであり、力関係
において対等性に欠ける傾向があります。その結果、人権が十分に擁護されない場面が生じる
ことがあり、オンブズマンはそうした区民の置かれた状況を認識して問題の解決に当たりま
す。
5 区民福祉の向上のために行政を監察します
オンブズマンの本来の職務権限の二つ目に「行政を監察する」という役割があります。監
察には行政を外部から監視する機能と内部から統制する機能が関係していて、オンブズマン
が第三者的立場を生かして客観的に行政執行を見守り、非違の是正に努めるという働きがあ
ることを示しています。オンブズマンの存在そのものが行政行為や決定に対して牽制力とな
って、結果的に区民福祉の向上につながるという効果をもたらします。
6 制度改善のために必要に応じた意見表明を行います
オンブズマンの職務権限の三つ目に「意見表明」という役割があります。これは是正勧告の
ように調査対象に直接的な改善を求めるものではありませんが、行政に対してオンブズマンと
しての意見を公に述べる機能を示しています。基本的に行政は、条例・規則どおりに行ってい
れば非違を問われることはないものの、それでも区民の不満が残る場合があります。その場合
は、制度そのものに改善すべき点があるということですので、条例・規則の改正を含めた制度
的な改善を検討する必要がありますよという意見表明を行うことができます。これに従うかど
うかは、議会との関係等もあり区長の判断にゆだねられます。
●対象と調査
7 敷居を低くして、あらゆる事例に対応するよう努めます
区民の多くは、自治体の相談窓口の少なからぬ部分に相談しにくいイメージを持っているよ
うです。オンブズマンは、悩みや不安を抱えている人の気持ちを察して、どんなささいな事例
でも気軽に相談できる雰囲気づくりに努めます。
8 双方の言い分をよく聞いて、法と道理の両面から公正に判断します
社会全体が忙しくテンポの早い時代の流れのために、話をじっくり聞いてもらう機会が少な
くなっています。オンブズマンは、区民と行政双方の見解を謙虚に聴いた上で、法令上の適否
だけでなく社会通念上の観点なども考慮して、どのような解決策が最善かを判断します。
9 申立ては情報の宝庫と考えて、区民生活の向上をめざします
申立ては、行政側にしてみれば批判ととらえて避けたくなるものですが、制度を改善するヒ
ントになると考えるなら姿勢も前向きになります。指摘された改善点によって行政の質がアッ
プすれば、結果的に区民生活の向上につながるという希望を持って対応していきます。
●連携と責務
10 関係機関との連携を図り、信頼と啓発に努めます
区民の個性や要望が複雑多様化している現在、オンブズマンの職務権限や知識を超える事例
も少なくありません。そのような場合に、関係機関と連携を図って専門性を生かした解決策を
求めていくなら、市民の信頼を得ると同時にオンブズマン制度の理解へとつながっていきま
す。
11 プライバシーを守り、個人情報を保護します
オンブズマンは、調査対象機関の保有するあらゆる関連文書・記録・資料等の閲覧・提出を
求め、関係職員から事情を聴取することができます。こうした調査の過程で個人のプライバシ
ーに触れ、個人情報を取得することがありますが、オンブズマンは職務上知り得た秘密を守る
義務があり、だれもが安心して相談できる制度的な環境を保ちます。
12 だれもが夢をもち、互いに支え合うまちづくりをめざします
地方自治体の行政は、区民生活に密接にかかわり合っています。すべての人たちが夢を持
ち、人生を輝いて生きていけるような社会をつくるために、行政と地域社会が協働して互いに
支え合うまちづくりをすることが求められています。オンブズマンは、一人でも多くの人が生
きていてよかったと思えるまちづくりの一端を担うため、区民の要求を受けとめて行政につな
げ、みんなでいい方法はないかと英知を結集して考えていきたいと思っています。ぜひ大勢の
方々が、これからもオンブズマン制度に注目していただいて、この立派な制度を育てていくこ
とを期待しています。

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